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V 地中ケーブル引込口配線の取扱い
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- 地中ケーブル引込口配線の施設
(1) ケーブル埋設方式とその施設
ケーブルの埋設は管路引込式、暗きょ式又は直接埋設式による。
- 管路式
管路式により施設する場合は、管にはこれに加わる車両その他の重量物の圧力に耐えるものを使用する。
- 暗きょ式
暗きょ式により施設する場合は、暗きょにはこれに加わる車両その他の重量物の圧力に耐えるものを使用し、かつ、地中電線に電気設備の技術基準の解釈134条第7項に規定する耐燃措置を施し、又は暗きょ内に自動消火設備を施設する。
- 直接埋設式
直接埋設式により施設する場合は、土被りを車両その他の重量物の圧力を受ける恐れがある場合には1.2m以上、その他の場所においては0.6m以上とし、かつ、地中電線を堅ろうなトラフその他の防護物に納めて施設しなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、地中電線を堅ろうなトラフその他の防護物に納めることを要しない。
- ・低圧又は高圧の地中電線を車両その他の重量物の圧力を受ける恐れがない場所において、その上部を堅ろうな板、又はといで覆い施設する場合。
- ・低圧又は高圧の地中電線にCDケーブル又は、がい装を有するケーブルを使用して施設する場合。
(2) 埋設箇所の表示
ケーブルを管路式、暗きょ式、直接埋設式により施設する場合、需要場所に施設するケーブルにあって、その長さが15m以下のものを除き、次により表示を行う。
- 物件の電圧を表示する。
- おおむね2mの間隔で表示する。
「注1」 電圧の表示方法は、公称電圧(6600V,又は6.6kV)あるいは単に「高電圧」としてもよい。
(3) ケーブルの露出部分の防護
高圧地中ケーブル引込口配線において、ケーブルの立下り、立ち上がりの地上露出部分および地表付近は、次のように施設する。
- ケーブルの立下り、立ち上がり部分は損傷のない位置に施設し、かつ、これを堅ろうな管などで防護する。
- ケーブル防護の範囲は、地表上2m以上、地表下.2m以上とすることが望ましい。
「注1」高圧地中ケーブル引込口配線の地中埋設部分の深さについては「120-3 高圧地中引込線の施設」による。
(4) ケーブル被覆金属体、防護金属体などの接地
- ケーブルを収める金属製の暗きょ、管およびケーブルの被覆に使用する金属体には、D種接地工事を施すこと。ただし、これらのものの防しょく措置を施した部分については、この限りでない。
「注1」 確実な接地とする。
「注2」 屋内での接地工事はA種接地工事(人が触れる恐れのない場合はD種接地工事)
(5) ケーブルの許容曲げ半径
- ケーブルを屈曲させる場合は、許容曲げ半径をケーブル外形の10倍以上とする。
ただし、CVTケーブルおよび低圧ケーブルは8倍以上とする。
(6) 地中弱電流電線への誘導障害の防止
- ケーブルは、地中弱電流電線路に対して漏洩電流又は誘導作用により通信上の障害を及ぼさないように地中電線路から十分離すか、又はシールド効果のある介在物を設けるなどその他適当な方法で施設すること。
(7) 地中弱電流電線等との接近又は交差
- ケーブルが地中弱電流電線と接近し、又は交差する場合において、相互の離隔距離が30p以下のときは、ケーブルと地中弱電流電線との間に堅ろうな耐火性の隔壁を設けること。
- 使用材料
ケーブル及び付属材料は、次のものを使用する。
(1) ケーブル
- 日本工業規格(JIS)、日本電線工業会規格(JCS)、東京電力規格に適合したものを使用する。
- 特殊な土壌の場合は、CVTケーブルと同等以上の性能を有し、現場状況に適合したものを使用する。
(2) 付属材料
- ケーブル終端接続部及び中間接続部は、日本電力ケーブル接続技術教会(JCAA)の次の規格品又は東京電力規格品を使用する。
- 特別の理由により上記以外の規格品を使用する場合は、事前に東京電力と協議を行う。
V-1表 終端処理材料の規格一覧
施設場所 |
JCAA規格 |
東京電力規格 |
屋外終端部 |
一般地区 |
JCAA C-3104 |
6B-38 |
耐塩地区 |
JCAA C-3101 |
6B-49 |
屋内終端部 |
はんだ付け端子用 |
|
JCAA C-3103 |
6B-40 |
モールドジスコン用 |
圧縮端子 |
ー |
6B-53(端子)
6G-13(カバー) |
直結端末 |
ー |
6B-54 |
UGS用 |
JCAA S-001 |
ー |
キュービクル終端部 |
JCAA C-3102 |
6B-40 |
中間接続部 |
CVTケーブル用 |
JCAA C-4201 |
6B-37 |
|
3心CVケーブル用 |
JCAA C-4201 |
ー |
- 工事の施工
高圧地中引込口配線の工事は、次による。
(1) 施工者
ケーブル工事、終端処理工事、接続工事等の高度の技術を必要とする工事は、次のものが施工する。
- 関東電気教会が認めた高圧ケーブル工事技能認定者
- 東京電力の地中線工事者として登録されている者
- 電線メーカーならびに電線付属品メーカーの技術者など上記と同等以上の技能を有すると認められる者
(2) 工事要領
- 引込線の接続
東京電力の引込線と引込口配線との接続は、東京電力で行う。
- 接続及び終端処理
- ・ケーブル終端処理及び中間接続工事は、日本電力ケーブル接続技術教会(JCAA)または東京電力の工法による。
- ・ケーブルの途中で分岐接続はしない。
- ・ケーブル終端部の施工にあたっては、特に次のことを留意する。
やむを得ずCVケーブルを用いる場合は、屋外の端末部及び三さ管部分より雨水がケーブル内部に浸入しないようにする。とくに、端子はケーブル導体が貫通しないものを用い、かつ、ケーブル導体と端子との間は、確実に防水処理を施す。また、三さ管には無理な力が加わらないようにケーブルを支持する。
(3) 引込口配線の竣工試験
- 引込口配線工事が完了した場合は、電気主任技術者の立合のもとで次の試験を行いデータを記録保管する。
- 導通試験
- メガーその他適当な方法でケーブルの導通試験を行い、ケーブルの色別を確認する。
- 絶縁抵抗試験
- 1000Vメガーで線間及び大地間の絶縁抵抗値を測定し、いずれも100MΩ以上の値であり、かつ各測定値がバランスしている必要がある。
- 耐電圧試験
- 耐電圧試験値は、次のとおりとする。ただし、変圧器、開閉器類、コンデンサ類等の電路で、内線規程(JEAC 8001)資料1-3-14のJESC
(1998) 「電路の絶縁耐力の確認方法」による場合を除く。
V-2表 耐電圧試験値
供給電圧 |
印加電圧 |
印加時間 |
6kV |
AC-10,350V |
10分間 |
「注1」 直流電圧で試験する場合は、上記の2倍の電圧値とする。
- 印加方法
- 耐電圧の印加方法は、大地間(3心一括)と線間相互(黒相-赤相、赤相-白相、白相-黒相)に印加する。
「注1」 各心遮へいケーブルは、線間相互は不要。
- 終端処理各種標準図
(1) JCAA C-3104 ゴムとう管形屋外終端接続部
(2) JCAA C-3104 ゴムとう管形屋外終端接続部(本体)
(3) JCAA C-3101 耐塩害終端接続部
(4) JCAA C-3101 耐塩害終端接続部(本体)
(5) JCAA C-3103 ゴムストレスコーン形屋内終端接続部
(6) JCAA S-001 過電流ロック形高圧交流ガス開閉器(地中線用)終端接続部
(7) JCAA C-3102 ゴムストレスコーン形キュービクル内終端接続部
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