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Y-1 地絡継電装置付き交流負荷開閉器(G付PAS、UGS)の取扱い
- 自家用波及事故は、約90%が主遮断装置を含む電源側の原因により発生しており、その防止策として地絡継電装置付き高圧交流負荷開閉器(GR付PAS、UGS)の設置が最も有効である。
- 関東経済産業局、東京電力、関東電気保安協会など関連団体で構成されている電気安全関東委員会では、GR付PAS、UGSの施設を推奨しており、取付率は年々向上している。この様なことから、東京電力サービスエリア内においては、GR付PAS、UGSを施設することが望ましく、その選定にあたっては(社)関東電気工事協会優良機材認定委員会制定の優良機材推奨認定規格品もしくは、それと同等以上の性能を持つものを選定することが望ましい。
- GR付PAS,UGSの規格概要
- 開閉器定格
トリップ動作の種類 |
SOG |
定格電圧 |
7.2kV |
定格電流 |
300A,400A,600A |
定格耐電圧 |
60kV |
定格短時間耐電流 |
12.5kA(実効値) |
定格投入電流 |
31.5kA(波高値) |
定格制御電圧 |
AC 100V |
- 避雷器定格
- GR付PAS,UGSの種類
- 主な機能
- GR動作(地絡事故動作)
- 本装置の負荷側高圧電路で地絡事故が発生すると、地絡継電器が動作して開閉器を即時開放し、配電線への波及事故を防止する。また、同時に地絡継電器は、赤色表示等により動作したことを表示させる。
- SO動作(過電流事故動作)
- 本装置の負荷側電路で短絡事故が発生すると、短絡電流を検出し過電流ロックリレーが動作し蓄勢回路において事故を一旦記録する。また、この短絡事故が発生すると、電力会社の配電用変電所では、遮断装置が事故を検出し遮断するため配電線は無電圧になる。本装置の過電流蓄勢トリップ回路では、この無電圧になった状態を感知し0.5秒で開閉器を開放させ配電線と事故点を切り離す。
- その他の機能
- 地中線用のUGS及び架空線用のPGSはともにガス絶縁方式であるため、ガス漏れ時の安全対策としてガス圧が低下すると、開閉操作を停止させる「状態ロック方式」を採用している。
- 施設時の留意点
- GR付PAS等の不必要動作防止の観点から、地絡継電器には方向性タイプの適用が望ましい。
- 屋外に設置されるGR付PASは一号柱上に設置されるものが多いので、腐食防止の観点から外箱がステンレス製のものを使用することが望ましい。
- 雷サージによる焼損防止のため、避雷器内蔵タイプのGR付PASを選定するか、GR付PAS近傍に避雷器(LA)の取付を行うことが望ましい。
- 地中線用のUGSを施工する場合は、関東電気協会が認定を行っている「地中線用GR付高圧負荷開閉器施工技能認定」の資格取得者、もしくは同等以上の技能を有する者が行うこと。
- 既に地絡継電器が取付けられている電気設備にGR付PAS,UGSを設置する場合等で、下位の地絡継電器と動作協調がとれないと、GR付PASの制御電源が喪失し不動作となるなどの不具合が生じる場合があるので、動作協調を確保すること。
- VL・PAS、V・UGS耐電圧試験時の注意事項
- VL・PAS、V・UGSは機器本体内部に制御用電源(VT)を内蔵しているため、引込ケーブルの耐電圧試験時には以下の方法により実施し、VTの焼損などの事故を避けること。
- VL・PAS、V・UGSとケーブルを一括で耐電圧試験する場合は、3線一括で電圧を印加すること。
- ケーブルが長い場合等の理由で3線一括試験電圧を印加できない場合は、次の手順による。
- ・VTが接続されている相をメガー等を活用しケーブル端末部で確認する。
- ・VT接続相をリード線で確実に接続し同電位化する。
- ・VT接続相-対地間、VT未接続相-対地間に分け試験電圧を印加する。
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