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120-2 高圧架空引込線の施設
- 高圧架空引込線の取付点は、次の各号により選定すること。(勧告)
@ 架空配電線路から最短距離で引込線が施設できること。
A 引込線が外傷を受けにくいこと。
[注] 氷雪が多い地方では、屋根から落ちる氷雪、雪下ろしなどに特に注意すること。
B 引込線がなるべく屋上を通過しないで施設できること。
C 引込線が他の電線路又は弱電流電線と十分離隔できること。
[注] 離隔距離に関する施設方法は、3項A及び4項Fを参照のこと。
D 引込線が煙突、アンテナ、これらの支線及び樹木と接近しないで施設できること。
- 鉄筋コンクリート建築における引込線取付点には、建築工事の際に引込線取付金具を取り付けておくこと。(勧告)
[注] 引込線取付金具は、電気事業者により規格が異なるので、当該地区の電気事業者と協議すること。
- 高圧絶縁電線による引込線の施設は、前2項によるほか、次の各号によること。
@ 電線には、引張強さ8.01kN以上の高圧絶縁電線又は直径 5 mm以上の硬銅線の高圧絶縁電線を使用し、がいし引き工事により施設すること。(解釈99)
A 架空引込線の高さ及び離隔距離は、120-1表によること。(解釈99)
120-1表 高圧絶縁電線による高圧架空引込線の高さ及び離隔距離
施設場所 |
高さ・離隔距離(m) |
道路横断 |
地表上 6.0以上 |
道路以外の地上 |
地表上 5.0以上
(電線の下方に危険である旨の表示をする場合には、3.5) |
横断歩道の上 |
路面上 3.5以上 |
鉄道・軌道 |
レール面上 5.5以上 |
上部造営材 |
上方 |
2以上 |
側方 |
1.2以上
(電線に人が容易に触れるおそれがない場合には、0.8以上) |
下方 |
1.2以上
(電線に人が容易に触れるおそれがない場合には、0.8以上) |
その他造営材 |
1.2以上
(電線に人が容易に触れるおそれがない場合には、0.8以上) |
[備考] 工場構内等、特殊車両が出入りする場所においては、充分な高さを確保するよう考慮すること。
B 電線が造営材を貫通する場合は、その貫通する部分の電線を電線ごとに高圧がい管に収めること。なお、高圧がい管は、雨水が浸入しないように屋外側を下向きにすること。
- 高圧ケーブルによる架空引込線の施設は、1項及び2項によるほか、次の各号によること。
- @ ケーブルは、ちょう架用線にハンガーを使用してちょう架し、かつ、そのハンガーの間隔を50cm以下として施設すること。
ただし、次のいづれかにより施設する場合はこの限りでない。(解釈65)
a ちょう架用線をケーブルに接触させ、その上に容易に腐食し難い金属テープなどを20cm以下の間隔を保ってらせん状に巻き付けてちょう架する場合。
b ちょう架用線をケーブル外装に堅ろうに取り付けてちょう架する場合。
120-1図 ケーブルによるちょう架の例
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A ちょう架用線は、引張強さが5.93kN以上のもの又は断面積22mu以上の亜鉛めっき鉄より線を使用すること。(解釈65、99)
B ちょう架用線に使用する金属体には、D種接地工事を施すこと。(解釈65、99)
C ちょう架用線は、積雪など特殊条件を考慮し、想定荷重に耐えること。
なお、その安全率は2.5以上とする。(解釈65、67、99)
D 高圧ケーブルによる架空引込線は、次により施設すること。
a ケーブルちょう架の終端接続は、耐久性のあるひもによって巻き止めること。
b 径間途中では、ケーブルの接続を行わないこと。
c ケーブルを屈曲させる場合は、曲げ半径を単心のケーブルでは外径の10倍、3心のケーブルでは8倍以上とすること。
d ケーブルは、ちょう架用線の引留箇所で、熱収縮と機械的振動ひずみに備えてケーブルにゆとり(オフセット)を設けること。
E 高圧ケーブルによる架空引込線を支持物に施設する場合は、120-2図を参考にすること。
F 高圧架空引込線の高さ及び離隔距離は、120-2表によること。(解釈99)
120-2表 高圧ケーブルによる高圧架空引込線の高さ及び離隔距離
施設場所 |
高さ・離隔距離(m) |
道路横断 |
地表上 6.0以上 |
道路以外の地上 |
地表上 3.5以上 |
横断歩道の上 |
路面上 3.5以上 |
鉄道・軌道 |
レール面上 5.5以上 |
上部造営材 |
上方 |
1以上 |
側方 |
0.4以上 |
下方 |
0.4以上 |
その他造営材 |
0.4以上 |
- [備考] 工場構内等、特殊車両が出入りする場所においては、充分な高さを確保するよう考慮すること。
120-2図 第1号柱等の支持物におけるケーブル引込線部分の施設例
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