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255-1 油入変圧器
- 定格容量が500kVA以下の油入変圧器は、JIS C 4304 (配電用6kV油入変圧器)に適合するものであること。
- 定格容量が500kVAを超える油入変圧器にあっては、JEC 2200 (変圧器)に適合するものであること。
- 油入変圧器は、前2項による他、次の各号に適合するものであること。(推奨)
@ 絶縁抵抗試験は、温度試験のすぐ後に定格電圧1,000Vのメガーを用いて255-1表の値以上であること。
255-1表 絶縁抵抗値
測 定 箇 所 |
絶縁抵抗値[MΩ] |
1次巻線と箱間 |
30 |
1次巻線と2次巻線間 |
30 |
2次巻線と箱間 |
5 |
A 騒音試験は、無負荷状態において、定格周波数における正弦波の定格電圧を加え、変圧器の周囲において高さはその1/2、距離はその外周から30cm離れた前後左右の4箇所で JIS
C 1502 (普通騒音計) に規定する騒音計を用いて、騒音をA特性で測定した場合、255-2表の値以下であること。
255-2表 騒音許容値
容 量 |
50kVA以下 |
50kVA超過〜300kVA以下 |
500kVA |
騒音レベル[dB] |
50 |
56 |
58 |
[備考] +30 dBの裕度を認める。
- 灯動両用変圧器は、次の各号に適合するものであること。(推奨)
[注1] 灯動両用変圧器とは、高圧側に三相で受電し、低圧側からは動力用として三相210Vおよび電灯用として単相105Vで出力する変圧器をいう。
[注2] 単相および三相を合計した容量が500kVA以下の灯動両用変圧器は、JIS
C 4304(配電用6kV油入変圧器)を準用する。
@ 絶縁抵抗試験は、3項@によること。
A 騒音試験は、3項Aによること。
[注] 騒音レベルは、灯動を合計した容量を基準とする。
-
連絡用変圧器は、次の各号に適合するものであること。また、次の各号以外は、1項および2項によること。
[注] 連絡用変圧器とは、6kVから3kVに逓降する変圧器をいう。
@ 商用周波耐電圧試験は、絶縁抵抗試験後、周波数50Hzまたは60Hzの正弦波に近い255-3表に示す電圧を1分間加えこれに耐えること。
255-3表 商用周波数耐電圧試験
印 加 箇 所 |
印加電圧 [kV] |
2次巻線および鉄心を大地に接続しこれと1次巻線との間 |
22 |
1次巻線および鉄心を大地に接続しこれと2次巻線との間 |
16 |
A 雷インパルス耐電圧試験(乾燥)は、255-4表に示す電圧の雷インパルス試験に耐える強度をもっていること。ただし、この試験は、特に指定された場合、組立を完了した新しい変圧器に対して行う。
255-4表 雷インパルス耐電圧試験値
項 目 |
1次側 [kV] |
2次側 [kV] |
全 波 |
60 |
45 |
さい断波 |
65 |
50 |
B 絶縁抵抗試験は、温度試験のすぐ後に定格電圧1,000Vのメガーを用いて、255-5表の値以上であること。(推奨)
255-5表 絶縁抵抗値
測 定 箇 所 |
絶縁抵抗値[MΩ] |
1次巻線と箱間 |
30 |
1次巻線と2次巻線間 |
30 |
2次巻線と箱間 |
30 |
C 騒音試験は、3項Aによること。
- 温度上昇65℃油入変圧器は、次の各号に適合するものであること。また、次の各号以外は、1項および2項によること。
[注] 温度上昇65℃油入変圧器とは、油入変圧器で、酸化安定度の特性が良好な絶縁油を使用し、巻線の温度上昇限度を65℃とした変圧器をいう。
@ 巻線の温度上昇限度は、255-6表のとおりであること。[ JEM 1365(温度上昇65℃油入変圧器)による。]
変圧器の部分 |
温度測定方法 |
温度上昇限度(℃) |
巻 線 |
抵抗法 |
65 |
油 |
本体タンク内の油が直接外気と接触する場合 |
温度計法 |
55 |
本体タンク内の油が直接外気と接触しない場合 |
温度計法 |
60 |
A 絶縁油の特性は、JIS C 2320 (電気絶縁油)で規定された値とし、酸化安定度については、255-7表のとおりであること。
255−7表 酸化安定度
酸化安定度(120℃75時間) |
スラッジ(%) |
0.20以下 |
全酸化(mgKOH/g) |
0.40以下 |
- 高効率変圧器は、1項および2項による他、JEM 1474 (配電用6kV高効率油入変圧器の特性基準値)に適合するものであること。
[注] 高効率変圧器とは、鉄心材料に低損失磁性材料を使用するなど、損失を低減し効率を向上させた変圧器である。
ただし、75kV未満および単相500kVA超過および三相2000kVA超過は対象外。
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