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受電設備点検の要点
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320-3 点検の要点
  1. 日常(巡視)点検
     日常(巡視)点検は、日常随時構内を巡視し主として目視点検、あるいは各種測定器具を利用して行うが、異臭や異音にも注意し、電気設備の異常の有無を確認する。
    日常(巡視)点検を実施するにあたっての留意事項を次に示す。

    @ 電気設備全般について点検漏れのないように前回の点検記録と電気設備の配置図、結線図などに目を通しておく。
    A 巡視順路を定め、できれば巡視順路を標示する。
    B 服装は、安全、かつ、軽装なものとし、また必要な工具を携帯する。
    C 樹木の生長、造営物の増築、材料置き場の新設などによる電気設備への影響の有無を確認する。
    D 巡視の結果を運転日誌に記入する。

     なお、専任の電気主任技術者をおいていない事業場では、巡視順路に従いこれを行うが、電気設備自体(配電盤の裏面など充電されている部分)への立ち入りなどは避けること。
    また、異常があった場合は、電気主任技術者に連絡するとともに運転日誌に詳細に記入しておくこと。

  2. 定期点検
     定期点検を実施するにあたっての留意事項を次に示す。

    @ 実施日時の決定には事業場の長(電気工作物の統括管理者)の承認と、これを現場の関係部署へ周知徹底させる必要がある。
    A 作業にあたっては、組作業になるので事前に作業責任者を指名しておく。
    B 作業前に、単線結線図と設備とを照合する。
    C 試験用電源等を確保するために事前に調査し、必要に応じて携帯用発電機の準備をしておく。
    D 停電または送電をする場合には、必要に応じて電気事業者に連絡した後、作業を行う。
    E 日常点検の際に点検ができなくて留保していた事項について、異常の有無を確認する。
    F 地絡継電装置の動作試験を行う。
    G 過電流継電器の動作試験を行う。
    H 遮断器および引外し装置付き高圧負荷開閉器の動作試験を行う。
    I その他の高圧負荷開閉器の開閉試験を行う。
    J 高圧電路および低圧電路の絶縁抵抗の測定を行う。
    K 高圧設備関係、変圧器の2次側および低圧設備関係の接地抵抗の測定を行う。
    L 異臭、変色、がいしの損傷などに注意する。

  3. 精密点検
     精密点検は次の点検、測定および試験を実施する。

    @ 定期点検において実施する点検、測定および試験。
    A 各機器の締付状態、遮断器・変圧器等のブッシングの状態、電力ヒューズ・カットアウトのヒューズ定格電流の適否、その他充電中に確認できない事項について異常の有無を点検する。
    B 遮断器の動作試験を、継電器の動作特性試験と連動して行う。
    C 制御回路の試験を行う。
    D 電気機器の内部点検を行う。
    E 絶縁油の点検・絶縁破壊電圧試験・酸価度試験を行う。
    F 高圧受電盤の指示計器の点検および校正試験を行う。
    G 各機器、開閉器の接続部分に締付け、遮断器の接触子の調整、不適正ヒューズの取替え、絶縁油の交換等のほか、必要に応じ機器を分解し、調整、部品の交換等を行う。

  4. 臨時点検
     臨時点検は、電気事故が発生した場合、もしくは発生のおそれのある場合に実施する。

    @ 次に掲げる電気工作物については、そのつど異常状況の点検、絶縁抵抗試験および絶縁耐力試験(高圧機材に限るものとし、必要に応じて行うものとする。)を行う。

    a 高圧機材が損壊し、短絡電流などにより受電設備の大部分に影響を及ぼしたと思われる事故が発生した場合は、受電設備の全電気工作物。
    b 受電用遮断器(電力ヒューズを含む)が遮断動作をした場合は、遮断動作の原因となった電気機材。
    c その他の電気機材に異常が発生した場合は、その電気機材。

    A高圧受電設備に事故発生のおそれがある場合は、そのつど点検、測定および試験を行う。

  5. 保守
     定期点検および精密点検において停電したときは、活線状態で確認できない部分の機器整備・清掃などを実施する。
    また、清掃を実施するにあたっての留意事項を次に示す。

    @ 目視および絶縁抵抗測定により汚損状態を確認し、異物の除去、清掃を行う。
    A 絶縁部を重点として断路器、遮断器、高圧交流負荷開閉器、変圧器、VT・CT等の各機器、配電盤、受電室等の清掃を行う。
    B 汚損の程度がひどく、乾燥ウエスでは拭き取れない場合は、機器材料に合った清掃液(アルコール液等)にウエスを浸し、絶縁物表面の粉塵を拭き取る。

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