診断法 |
測定方法 |
測定上の注意 |
判定基準 |
・直流成分法
ケーブルに交流電圧を印加した時、水トリーが発生しているとその整流作用によって直流電流が生じる。この原理を利用して活線状態で遮蔽層接地線を流れる直流電流成分を測定し判定する。 |
ローパスフィルターを用いて接地電流中から直流成分を検出する。 |
迷走電流の影響に注意する必要がある。 |
<良>
・直流成分が1ηA未満
<要注意>
・1〜100ηA未満
<不良>
・1ηA以上
・波形変動が大きいもの
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・直流重畳法
直流電圧の重畳により絶縁体及びシースの劣化度合を診断する
(遮蔽層の導通抵抗も測定可能な装置もある) |
<ブリッジ法>
EVTの中性点から50V程度の直流電圧を重畳し、ケーブルの絶縁抵抗を1辺とするホイーストンブリッジを構成し、絶縁抵抗を測定する。
<直流重畳電流測定法>
EVTの中性点から50V程度の直流電圧を重畳し、直流電流を測定する。最近では高圧配電線の1相よりインダクタンスを介して数Vの直流電圧を重畳する方法もある。
<シース絶縁抵抗>
数Vの直流電圧を、遮蔽層と大地間に課電し、流れる電流値を測定する。 |
測定対象は遮蔽層が1点接地が可能なケーブルであること。
測定時には必ず測定装置を介しコンデンサ接地とする。雨天時屋外では測定しない。 |
<ブリッジ法>
<良>
10GΩ以上
<要監視>
3GΩ以上10GΩ未満
<要注意>
3GΩ未満
<直流重畳電流測定法>
<良>
3GΩ以上
<要監視>
300MΩ以上3GΩ未満
<要注意>
300MΩ未満
<シース絶縁抵抗>
<良>
1MΩ以上
<不良>
1MΩ未満 |
・活線tanδ法
活線下でtanδ、遮蔽層絶縁抵抗を測定して絶縁体と遮蔽層の劣化度合を診断する |
被測定ケーブルにかかる電位の信号と充電電流信号の位相差からtanδを算出する。ケーブル遮蔽層と大地間にDC5V程度を印加し、その電流を測定し、遮蔽層絶縁抵抗を算出する。 |
測定対象は遮蔽層が1点接地が可能なケーブルであること。 |
tanδ
<良>
<不良>
遮蔽層絶縁抵抗
<良>
<不良> |
・脈動検出法
遮蔽層接地線から、ケーブル劣化により生じる商用周波数より低い成分を検出し、診断する |
遮蔽層接地線に流れる電流から商用周波成分を除去し、1Hz信号電流、遮蔽層絶縁抵抗及び遮蔽層の対地交流電圧を測定する。 |
・遮蔽層絶縁抵抗1MΩ未満診断不能
・遮蔽層接地が多点接地ならば診断不能 |
・0.2ηA以上の場合、停電測定を推奨
・遮蔽層絶縁抵抗1MΩ以上良 |
・低周波重畳法
低周波電圧を重畳し、遮蔽層接地線から低周波成分の損失電流を検出し、劣化判定する |
7.5Hz,20V電源をEVT中性点等から重畳し、遮蔽層接地線から低周波成分の損失電流を検出し、劣化判定する。 |
測定対象は遮蔽層が1点接地が可能なケーブルであること。
雨天時屋外では測定しない。 |
<良>
1000MΩ以上
<要注意>
400MΩ以上1000MΩ未満
<不良>
400MΩ未満
<判定不能>
遮蔽層絶縁抵抗10KΩ以下 |
・交流重畳法
遮蔽層に特定周波数の電圧を重畳し、水トリー実態に対応した発生微小電流を計測して診断する |
遮蔽層接地線に商用周波数の偶数倍+1Hzの電圧を重畳し、水トリー劣化に対応して発生する1Hzの劣化信号を測定する |
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<良>
10ηA未満
<不良>
10
ηA以上
<判定不能>
遮蔽層絶縁抵抗250KΩ以下 |